目次
この暗いコロナ状況下に、そんな力や希望を与える日•米•伊コラボレーションダンスフィルム。
コロナパンデミックにより、多くの人にとって辛い状況が続いています。ワクチンが出来たといえども実際の光は見えず、元通りの生活になるのはまだ先。変異ウイルスにより、世界では1年前の様な厳しいロックダウンが始まった所も増えてきました。(2021年3月15日現在)
大切な家族に会えない日々や、仕事・事業への不安が続き、辛さが増してきている方々もたくさんいらっしゃると思います。
そこで、
「少しでも、希望を持って欲しい。」
そんな思いもあり、
イタリア人監督:Sara Pizzi (写真中央)
アメリカ人ビデオグラファー:Rebecca Marcela Oviatt (写真右)
日本人パフォーマー:私。武島アイカ
の3人がダンスフィルム”HOME”を制作致しました。
本記事は、この作品について行われたQ&Aライブインタビューの和訳まとめとなります。 私達の想いだけではなく、 ・どのように指揮したのか(監督視点) ・どのように踊ったのか(パフォーマー視点) ・どのように撮ったのか(カメラマン視点)について、 そして、制作中の困難やちょっとしたハプニングなどの裏話も盛り込まれています☆ (動画のリンクはこの記事の一番下にあります。) |
監督の想い
歌詞は一見すごく悲しく見えるのですが、実はすごく希望に満ちているんです。
“未来のない、全てが死んだように見える辛い時期や人生、希望の無い、空っぽのストリートで迷子、家も無い。過去の記憶でさえもぼやけていて、星たちももはや輝いていない。”
などなど。。。とても悲しいですよね?(^^;)
でも、歌詞にはこうも書かれているんです。”でもまだ希望はここにある。私達の内側にはね、夢たちが生きていて、輝いていて、温かい場所が。たくさんの道がある場所が。”
言い換えると、
たとえ外から見たら不可能に見えることでも、自分自身と自分の夢を信じて諦めなければ、希望があって、うまくいくはず。
また、自分の部屋なのにもはや心地良く感じなくなって、自分の家じゃないように思えたり。鏡に映る自分が何だか知らない人みたいで、自分が何者か分からんくなったり。そういう時も、自分自身の内側の深い所を見てみたら、答えが見えてくる。なぜなら、私達は自分で思ってるよりももっと強くて、深い所では、自分が何が欲しいのか分かっているから。
つまり、自分自身の深いところ、本当の自分を信じてさえいれば、外に居場所を求めたり、外の声(人からの批評とか)なんて関係なく、安心して自分自身でいられる。
なので、この作品の名前を、”HOME”としました。なぜなら”HOME”とは、
・自分らしくいられる自分の居場所
・夢がある場所
・外で何かあったとしても守られている、安全だと思える場所
・温かい場所
と私は思っているからです。たとえ辛くても、あなたの”HOME”に戻っておいで。ありのままの自分で、自分を信じて、その道のりを信じて。
パフォーマーの想い
“幸せになるためには場所とか環境なんて、関係ない。自分の中に、ちっちゃいけど、何か強い”自分”があれば、自分次第で、どこでも幸せになれる。”
私はこの人生(コロナパンデック中でも)の中で、生きるのには十分なお金もあって、才能もあって、綺麗な心を持っているにも関わらず、希望を失い、深く落ち込み始める人々をたくさん見てきました。中には人生が破滅的になってしまったり、自ら命を落とす人も。と同時に、お金もキャリアも無いのに至って大丈夫そうで、なんなら進化というかより良い人生を築き上げていっている人も見てきました。
ということはつまり、大事なのはお金や環境などの外的要因ではなくて、もっと内側にある、何かコア中のコア中のコア中のコア中の”自分”なんです。
その”自分”というのは、物事の考え方であったり、自分の中にある何か(情熱、炎、夢、自尊心、自愛、ちっちゃいおっさん笑etc.)。
例え悪い事でも、自分のより良い人生の為の貴重な経験として、全てを取り入れる事が出来る柔軟な考え方を持っていれば、きっと大丈夫。ハッピーになれます。
自分自身の中に、はっきりとした何かを見つければ、きっと大丈夫。ハッピーになれます。
なので、
「場所とか、その他の状況、環境なんてのは関係ない。」
ということを表現する為にこの作品を手掛けました。見て下さった方が、
”やろうと思えば、どこでも楽しめるんだな!”
”かっこつけなくても、無理しなくても良いのかもしれないな。”
と感じたり、
単純に見ていて落ち着いたり、リラックス出来たり、遊び心が芽生えてきたり、楽しくなったり、子供時代の事を思い出したり、、、、
とりあえず何かポジティブなもの(メッセージやフィーリングなど)を、この作品から受け取って頂けたらと願っています。
そして、それらを是非、皆様自身の”HOME”に持ち帰って頂けたらと思っております。
ロケーション選びの背景。なぜ都会と自然の2つ?
監督の理由
個人的に対比が好きなのと、このパンデミック中に家の中で作られた作品をたくさん見てきたので、違う事がしたかったという理由もありますが、もっとディープな理由があります。
今年(2020年)、たくさんの人が落ち着く為や自分自身を見つけたり取り戻す為に、ニューヨーク市内から郊外の大自然に行く様子を見ました。しかし、いつかは必ず、皆市内にある自分の”HOME”に帰って来なければなりません。なぜならそこに自分達の仕事や家族や友達が存在するからです。
撮影地
じゃあ一体、私達の本当の”HOME”って、何なの?人間も動物であり、元々は自然界の生き物。だから、自然?それとも、自分の人生を築き上げてきた、市内?
私はこの答えを、この曲の中に見つけました。
それはつまり、何があっても、どこにいても、あなたは”HOME’”にいるということ。なぜなら、あなた自身が、あなたの”HOME”だから。
”HOME”は、自分の外側ではなく、いつも自分の中にあるのです。
ですので、都会と自然の2つの場所を使い、どこにいても自分のいる所が自分の”HOME”とうことを表現しました。
都会:ニューヨーク市内、ウォール街エリア。
自然:ニューヨークの郊外、カナダにも近い北の方。
パフォーマーの理由
このパンデミック中、私も非常に多くの人が自然のある場所に行って写真やビデオを投稿しているのを見ました。多くのアーティスト達も、素晴らしい自然の風景を背景にした作品をたくさん作っていました。
”生き返る~!”
”気持ちいい~!”
”幸せ~!”
などなど、皆とっても楽しそうで、幸せを存分にかみしめているように見えました。
皆ずっっと自分の部屋にこもっていただろうし、外に出れるようになってもソーシャルディスタンスを守らなければいけないので、大自然に行くのは最適だと私も思います。
しかし、そこに私は疑問を感じ始めていたのです。
”それだけが、幸せになる/感じる唯一の方法なの?”
”幸せになる/感じるのって、自分の小さな部屋では出来ないのかな?”
”そもそも場所って、関係あるのかな?”
なぜなら私は、”全ては自分次第。”と強く信じているからです。
場所というのは、お金や社会的地位や学歴のように、外的要因の一つに過ぎません。もちろん私達のことを助けてはくれるけど、”自分自身”ではありません。
お金持ちなのにハッピーじゃない人もいれば、かなり貧乏でもハッピーな人もいる。
そして、先述の「私の想い」に繋がります。
“場所や環境に人生を決めさせないように。”という思いを込めて、ロケーションを2つ以上と希望しました。あとは、単純に人と同じ事をするのが好きではないので、大自然のみを背景にするのを避けたかったという理由もあります。
パフォーマーへの質問
全てインプロビゼーション(即興)です。振付は一切ありません。
視界に入ってくるものなど、自分の周りにあるもの全てを取り入れて、次のムーブメントへのインスピレーションにしていました。
そしてとにかく全力で自分の周りのものを楽しむようにしていました。
ありのままの自分で、かっこつけたり、良く見せようとする努力一切無しで、どこでも何とでも楽しめる自分を表現しました。
ロッキングダンスから始め、その後ヒップホップ、ポッピング、ブレイクダンス、ハウスなどストリートダンス全般、22歳から本格的にバレエ、ジャズ。
そしてニューヨークに来てからコンテンポラリーダンスを始め、インプロビゼーション(即興)や、もっと演劇に近いスタイルにも出会いました。
また、先述の様に私自身のゴールが、人々にありのままの自分で、自由に、生きやすく、幸せになってもらう事です。
ですので、超絶フリーダムに、リズムやアイソレーションだけでなく、フロアワークや身体を繋げて大きく踊ったり、且つ普通の人に近い動き、大げさではない今現在のフィーリングを表現するスタイルになったのだと思います。
彼女は的確で良い意味で細かい指示をくれるのですが、パフォーマーの私やカメラマンのRebeccaにも創作、意見、アイデアを入れる余地を存分に与えてくれます。彼女自身、アーティストを尊重しており、とても柔軟で、色んなアイデアを取り入れたいタイプのようです。なので、私としてはすごくやりやすかったです。「オッケー!これとこれとこれとこれさえ守ってたら、後は自由にやって良いんやね!?了解!」という感じです。
自由にさせてもらい過ぎて、カメラが回っていない時や監督とカメラマンが話し合っている時等、隙あらばどこかに踊りに行ってしまい、
「アイカ~!どこ行った~!?戻ってこ~い!!」
と叫ばれることもありました笑
カメラマンへの質問
・たくさんのシーンがあるので、全体的なライトのバランスを上手く合わせること
・背景に映り込む周りの人々や風景を、どのように上手くアーティスティックに取り入れるかということ
・あちこちに自由奔放に飛び回るアイカに追いつくこと。
「カメラマンとして、常に何にでも対応できる準備をしています。特に知らないダンサーの場合は事前にそのダンサーの動画を見て、どのような動きをしてくるのかをなるべく予測出来るようにしています。アイカの事はよく知っていましたが、あまりにも飛んで転がって動き回る為、なるべくワイドショットにして彼女の全身が映るようにしました。」
「監督が私に自由をくれつつも、具体的な指示はしっかりくれていたので、アイカの突拍子のない動きが良い意味でのサプライズとなり、作品を映えさせてくれました。もし監督も自由で即興だったら私のカメラワークも自由で即興となり、皆が自由過ぎて、はちゃめちゃになっていたと思います(笑)。」
私自身、普段はカメラも監督や構成も全て一人で手掛ける事が多いので、今回、私のお尻を叩いてくれるサラを監督に持った事はとても良い経験になりました。
私はリスクテイカーなタイプではないので、”これは難しそう/複雑そう”と思った事はあまりやりません。しかしサラもアイカもとてもリスクテイカーで、”私はこれが欲しいの!だからやろう!”という意気込みがすごいのです(笑)。なので、私が彼女たちのレベルに合わせざるを得ず(笑)、私だけだったらやってみてもいないような事に挑戦してみる、自分の枠から抜け出す、良い機会となりました。
何より、今回始めて使用したドローンの持つたくさんの可能性にとてもインスパイアされました。今までとは全く違う、新しい視点。現在はまだ多くがコマーシャル的な(商業的な、”なんかカッコいい”感じ)使われ方ですが、もっともっとアーティスティックな使い方を見出していきたいなと思い、ワクワクしています。
終わりに
以上が、Q&Aライブインタビューのまとめ和訳となります。
公式・作品説明&込められたメッセージは、こちらのページをご覧ください。
心理学者の方から2歳児の赤ちゃんまで、多くの方々から良いご感想、ご意見を頂いております。是非とも、更に一人でも多くの方のポジティブなエネルギーになれば、肩の力を抜いて、生きやすくなるお力になればと願っております。
もし良いね!と感じられましたら、こちらの動画や記事のシェアの程、よろしくお願い申し上げます。
本日もありがとうございました☆
Aika.